退職前に、有給はすべて消化しよう

退職前には、有給をすべて消化しよう

このエントリーをはてなブックマークに追加  

日本は世界的に見ても、有給の消化率が圧倒的に低い国として知られています。なので、退職日が決まった時に、相当数の有給が残っていることが多いでしょう。そのままで退職するのは勿体ないですから、すべてを使い切るようにしてください。

 

ただ、退職前には引き継ぎなどで忙しいですから、有給を使うのは気が引けてしまうかもしれません。社員数が少ない会社だと、自分が辞めることで迷惑が掛かることがあります。しかし、数か月前から準備をしていれば、有給を使っても周りに迷惑を掛けることも無いでしょう。

 

従業員の権利ですから、しっかりと使い果たすようにして下さい。

 

有給の消化方法について

 

労働基準法では、社員が有給を取る権利がちゃんと認められています。厳密に言うと、6か月以上の勤務実績と前年の労働日の8割以上を出勤していれば、年間で最低10日の有給休暇が与えられます。

 

でも、実際の職場では、自由に有給を使えないことも多いです。職場が休みにくい雰囲気である場合がありますし、上司から嫌な顔をされることもあるでしょう。また、有給を使ってはいけないという暗黙のルールがある場合もあります。

 

しかし、退職が決まったのであれば、遠慮することはありません。使わないと損になりますから、必ずすべて消化するようにしてくださいね。使い方としては、2つの方法があります。

 

  1. 退職前にまとめて使ってしまう
  2. 会社に買い取ってもらう

 

上記のどちらかの方法で、有給を使用するようしてください。

 

 

1.退職前にまとめて使ってしまう

 

残っている有給休暇を退職日前に充ててしまって、退職を前倒しすることができます。たとえば、月末で退職が決まっていて有給が10日残っている場合、平日を有給に充てれば18日に退職できることになります。

 

これは、最もポピュラーなやり方だと思います。ただし、退職前に引き継ぎや残務処理などを済ませておくのは、社会人としてのマナーです。なので、そういったことはしっかりと終らせておくようにしてください。

 

 

2.会社に買い取ってもらう

 

実は、退職が決まった場合、有給を会社に買取してもらうことが可能です。1週間後に退職するのが決まっていて、有給が10日以上残っていたら全部使えませんよね。なので、そういった場合であれば、会社が買取しても良いと法律で決まっているわけです。

 

ただし、買取に対応していない会社も多いので、あまり一般的な方法ではありません。基本的には、退職前にまとめて使い切るのが普通ですね。

 

 

有給消化の前の事前準備

 

先述したとおり、しっかりとした準備なしに有給は使うべきではありません。辞める前にトラブルを起こしてしまったら、気持ち良く転職をすることができないですよね。また、揉めたことが転職先に伝わる場合もあるので、自分の立場を悪くしてしまいます。

 

だから、有給消化の前の準備を覚えておくようにしましょう。

 

 

残りの有給日数を確認する

 

まずは、自分が持っている有給日数を把握しないといけません。それによって準備期間も変わってくるので、一番最初にやらなくてはいけないことですね。仮に、40日の有給が残っていて11月末で退職するのなら、9月末までには退職を申し出る必要があります。

 

有給日数は勤続年数によって定められており、具体的には以下のようになります。

 

勤続年数 6ヶ月 1年半 2年半 3年半 4年半 5年半 6年半以上
付与日数 10日 11日 12日 14日 16日 18日 20日

 

たとえば、入社して1年半の人だと、「入社後6か月の10日」と「入社後1年半の11日」を合わせて21日の有給を取得できることになるわけです。

 

 

会社と退職日を交渉する

 

自分が11月末で辞めたいからといって、その通りに出来るとは限りません。会社にも都合がありますから、上司と話し合いをして退職日を決定してください。退職するときのマナーとしては、繁忙期を避けるということですね。

 

業界が忙しくなる時期であれば、人手が足りなくなるので自分が辞めることで業務が止まってしまいます。なので、会社の状況も考えながら、退職する時期を決定しましょう。

 

退職日の決定については、有給の日数と引き継ぎの期間を考慮に入れないといけません。完全に引き継ぎが終了してから有給を取得する必要があるので、しっかりと考えるようにしてくださいね。

 

 

引き継ぎの作業

 

自分の後任の人が決まったら、作業の引き継ぎを行いましょう。業務フローを解説した資料を作成しておけば、後任の人が迷うことはありません。取引先や顧客などへもあいさつ回りをして、後任を紹介するということも大切です。

 

ここで不備があると、自分が辞めた後にトラブルが発生してしまいます。自分の印象を悪くしないためにも、完璧に引き継ぎを終わらせる必要がありますね。数か月前から準備を行って、余裕を持つことが大切でしょう。

 

 

有給消化に伴うトラブルの対処法

 

有給を取らせてくれない

 

退職前に有給を消化しようとすると、会社から許可が下りないことがあります。人が少ない中小企業などに、ありがちなパターンですね。自分の準備不足なら多少の譲歩も必要かもしれませんが、しっかりと引き継ぎをしているのなら交渉するべきです。

 

上の上司に相談して解決できなければ、労働基準監督署に訴えるようにしてください。会社側に問題があるなら、指導をしてくれるはずです。有給の取得が難しければ、買取という形で対応してくれる場合もあります。

 

有給を放棄する必要はありませんから、毅然とした対応を行いましょう。

 

 

有給中の給料が未払い

 

有給を取得して退職した後に、その期間の給料が振り込まれない場合があります。これは単純な手続きのミスの可能性もあるので、まずは会社に問い合わせるようにしてください。会社に確認しても対応してくれない場合には、内容証明郵便で給料の請求を行いましょう。

 

それでも支払いが無ければ、労働基準監督署や弁護士に相談することをおススメします。給料の未払いは明らかな不当行為ですから、専門家に依頼すれば対応してもらえるはずです。

 

 

 

以上、退職前の有給消化について解説をしました。

 

有給は労働者の権利ですから、すべてを使い切れるようにしてください。会社に気を遣って泣き寝入りしてしまわないためにも、知識を持っておくことが大切ですね。


このエントリーをはてなブックマークに追加