ボーナス後に転職する人が知っておくべき5つのこととは?

サラリーマンにとって、ボーナスは大きな関心事の一つでしょう。住宅ローンなどでボーナス併用払いにしている人も多いでしょうから、家計に与える影響はかなり大きいと思います。
そして、今の会社を辞めて転職を考えている人なら、「ボーナスをもらってから辞めたい」と考えるのが本音ですよね。ボーナスは社員の権利ですから、そういった考えは悪いことではありません。
でも、ボーナスをもらうのであれば辞めるタイミングが重要ですし、あまりに固執しすぎると転職で失敗する可能性もあるわけです。総合的に考えると損をするかもしれないので、ちゃんとリスクを理解しておいてください。
ここでは、ボーナス後の転職について解説をします。
ボーナス(賞与)の基本的な仕組み
一般的な企業だと、年2回(6月と12月)のボーナスがあります。半年間の査定期間の実績によって、支払われる金額が決まるわけです。6月のボーナスは11月〜4月まで、12月のボーナスは5月〜10月までが査定期間であることが多いですね。
ただし、支給日までに退職届を出していると、査定評価を下げられてしまって賞与金額が減らされることがあります。また、支給日までに退職してしまった場合には、支給が全額カットになる会社もあるようです。
過去の実績の評価としての報酬なので受け取れるはずなのですが、その会社の方針によって減額またはカットになることがあるので注意してください。
ボーナスに関しては労働基準法で保護されていないので、全く受け取れなくても文句を言うことはできません。
なので、自分の会社の就業規則をチェックして、以下の項目を確認しましょう。
- 支給日に在籍している必要があるのか?(支給日在籍条項)
- 退職手続き中でも減額されないのか?
- ボーナス金額の計算方法が明確であるか?
特に、「支給日在籍条項」については、必ず確認してください。この項目が定められていなければ、退職後であっても査定期間中の実績に応じて賞与を請求する権利があります。
ボーナスを受け取った直後の転職はリスクがある
今の会社で確実にボーナスを受け取るには、支給日を過ぎてから退職届を提出することです。そうすれば、不当に支給額を減らされる心配はありません。それから新しい会社に転職することで、賞与のロスを防ぐことができるでしょう。
ただし、これにはリスクがあります。
なぜなら、転職先での次のボーナスが、大幅にカットされる可能性があるからですね。試用期間中はボーナス査定に含まれない会社が多いですし、ボーナスの支払い条件を「●ヶ月以上勤務した場合」に設定していたりすることがあります。
また、転職したばかりの頃は、勝手が分からないので大きな成果を出すことができないかもしれません。すると、十分な評価を受けることができずに、思ったよりもボーナスが少なかったというケースもありますね。
前の会社のボーナスを欲しいからといって、新しい会社への入社を遅らせてしまうと、トータルでは損になることもあり得るわけです。
ですから、転職を考えているのであれば、目先のボーナスに捉われるのでなく、長期的な視点で考えるようにしてください。
ボーナス後の転職を成功させるためのコツ
先述の通り、ボーナス後の転職においては、一定のリスクがあります。なので、転職活動を始める時期や退職を申し出るタイミングなど、よく考えてから行動に移すようにしましょう。
おススメなのは、今の会社で働きながら新しい会社で内定をもらって、ボーナスを受け取ってから辞めるというパターンです。適切なタイミング見計らって退職することで、年収を減らさずに転職を完了させることができます。
意識するべきなのは、以下の5つの項目ですね。
- 今の会社の就業規則を読んで、ボーナスの評価について調べる
- 次の会社への内定後、ボーナスなどの評価制度の詳細を聞く
- ボーナス査定期間のロスを減らすスケジュールを組む
- 退職と入社の手続きをスムーズに終わらせる
- 最悪の場合、今の会社のボーナスを捨てる覚悟を持っておく
今の会社の就業規則を読んで、ボーナスの評価について調べる
会社によって、ボーナスの査定方法や支払い条件が異なります。なので、自分の会社では、どのような評価が行われているのかを調べるようにしましょう。
査定期間は何月〜何月までなのか、支給日はいつなのか、支給日に在籍している必要はあるのかなど、知っておく情報はたくさんあります。これが分からないと退職日の決定ができませんから、人事部や総務部などに確認をするのも良いですね。
ボーナス支給日の2ヶ月前から転職活動を始める
ボーナス後に退職して転職をする場合、最低でも支給日の2ヶ月前から行動しないといけません。転職活動には時間が掛かりますから、早い段階で動いておく必要がありますね。
それよりも前から動き出しても良いですが、内定をもらうのが早すぎると入社を待ってもらえなくなります。ですから、2ヶ月前からというのが、最もベストな期間だといえるでしょう。
支給日の前後で次の会社の内定が決まっていなければ、転職時期が遅れることになります。すると、中途半端な時期に辞めることになりますし、次の会社での賞与査定期間も短くなってしまうわけです。
なので、適切なタイミングで退職することができるように、ボーナス支給日に合わせて内定をもらえるようにしてください。
次の会社への内定後、ボーナスなどの評価制度の詳細を聞く
転職活動を始めて内定をもらうことができたら、具体的な入社時期などを決めなくてはいけません。今の会社の引継ぎなどもありますので、1〜2ヶ月後くらいになるのが一般的でしょう。
その時に、ボーナスの評価制度などを詳しく聞いておく必要があります。査定期間は何月〜何月までか、支給日はいつなのかといったことですね。
そうすれば、いつまでに入社すれば、次のボーナスを最大化できるのかが分かるはずです。入社日を決定するために必要ですから、これらは必ず聞いておくようにしてください。
退職と入社の手続きをスムーズに終わらせる
新しい会社に内定をもらって入社日を決定したら、今の会社へ退職する旨を伝えなくてはいけません。ボーナスを受け取った直後に退職を申し出るのは、かなり気が引けることだと思います。
しかし、これまでの実績が評価された正当な報酬ですから、それを受け取ってから辞めても問題はありません。なので、ボーナス支給の1〜2週間後に、上司に退職を伝えるようにしてください。
優秀な人ほど引き留めにあうと思いますが、退職時期が遅れてしまうと次の会社に迷惑をかけることになります。最悪の場合、内定が取り消しになる可能性もあるので、毅然とした態度で退職の意思を示すようにしましょう。
そして、後任への引継ぎなどは、完璧に終わらせるようにしてください。今の会社への恩義を示さなければ、ボーナスのもらい逃げだと思われてしまいます。かなり印象が悪くなってしまうので、社会人としてのマナーを守ることは大切です。
最悪の場合、ボーナスを捨てる覚悟を持っておく
ボーナス後に転職をする人であれば、今の会社で満額のボーナスを受け取って、次の会社での初ボーナスも最大化したいと考えているでしょう。その場合、転職先の賞与評価方法も考慮して転職タイミングを決める必要があります。
ただ、試用期間中は評価の対象外となったり、最低勤続期間などが決められていたりするので、転職後の初ボーナスは期待できないかもしれません。
今の会社のボーナスを受け取らずに辞めるのであれば、転職先での賞与査定期間が長くなるのでボーナスを満額受け取ることができる場合もあります。
どちらを優先するのかは自由ですが、ボーナスに執着しすぎないことも大切です。ボーナスを考えすぎると転職時期が限られてしまうので、自分の選択肢を狭くしてしまうからですね。
企業との出会いは一期一会ですし、良い会社が見つかったならすぐに入社を決めるべきです。ボーナスを意識しすぎて転職のチャンスを失ってしまったら、長い目で見れば大きな損失だといえるでしょう。
やりがいのある仕事ができたり、目指すべき方向のキャリアを積み重ねることが、何よりも大切なことです。ですから、目先のお金に捉われるのでなく、長いスパンで考えるようにしてください。
ボーナス後の退職についての疑問
会社からの印象が悪くなるか?
ボーナスをもらってすぐに辞めると、上司や同僚からの印象が悪くなるかもと不安になりますよね。なので、あえて転職時期をずらして、世間体を気にする人も少なくありません。
ただ、賞与は査定期間中の実績に対する報酬ですから、もらってから辞めても問題はないはずです。大手の企業などであれば、すんなりと退職できることが多いですね。
しかし、中小企業やベンチャー企業などであれば、少し厳しい目で見られることがあるようです。
この辺は、社風によって異なる部分ですから、過去に転職した先輩などの話を聞いてみてください。退職時にトラブルを起こすと後味が悪いので、適切なタイミングで辞めることが大切です。
次の会社への入社をボーナス支給日まで待ってもらえるか?
ボーナスを受け取る前に内定をもらうと、入社日の設定に迷いますよね。転職先企業はできるだけ早く入社してほしいはずですし、自分としてはボーナスをもらってから今の会社を退職したいでしょう。
一般的に、内定から入社までは、最大で2ヶ月程度は待ってもらえるはずです。それ以上になってくると、内定の取り消しになる可能性があるので注意してください。
でも、本当に興味のある会社から内定をもらったのなら、すぐにでも入社を決めるべきだと思います。早目に入社して仕事に取り組んだ方が、転職後の初ボーナスは大きくなるでしょう。
さらに、キャリアを積み重ねることで、将来的なキャリアアップにも繋がります。自分の市場価値が高めれば年収も上がっていきますから、目先のボーナスに捉われないようにしてください。
有休消化中でもボーナスは支払われる?
退職日を決定すると、それよりも前に残った有休を消化しますよね。その期間中にボーナス支給日を迎えても、問題なくボーナスを受け取ることができます。有休中も会社に在籍しているわけですから、受給資格が無くなることはありません。
就業規則に「支給日在籍条項」が含まれていても、ちゃんと支払いを受けることができますから安心してください。
以上、ボーナス直後の転職について解説をしました。ボーナスを受け取るかどうかで大きな差になりますから、よく考えて行動を行いましょう。転職をするのであれば、転職活動をするタイミングなども重要ですね。
