ベンチャー企業への転職は危険?ベンチャーで働くメリット・デメリット
ツイート最近は、大手の企業でも安定している所が少ないので、ベンチャー企業を選んで転職をする人も多くなっています。社歴が浅くて安定していませんが、若い社員が中心で勢いがありますし、将来的に拡大していく夢もあります。
大手企業では得られない経験ができるので、ベンチャー企業で働くという選択肢もありでしょう。しかし、知名度が少なくて情報を集めにくいですから、実態が見えにくいという側面もあります。
なので、メリットとデメリットを比較したうえで、志望するようにしましょう。ここでは、ベンチャー企業への転職について解説をしていきます。
ベンチャー企業の定義とは?
そもそも、ベンチャー企業ってなんでしょうか?明確な決まりはありませんが、一般的には社歴が浅かったり、社員が若いなどの特徴があります。
名の知れた上場企業の中にも、「メガベンチャー」と呼ばれる会社があります。DeNAやサイバーエージェント、グリーなどがそうです。90年代後半のITバブル期に創業した会社がそうで、大企業でもベンチャーに分類されたりしています。
なので、判断が難しいのですが、ザックリと社歴が20年以内の企業だと思っておけばいいでしょう。
ベンチャー企業の特徴としては、社長が絶対的な権力を持つワンマン経営であることが多いです。
なので、社長の意見に大きな権限があり、方針がコロコロ変わることも珍しくありません。社長の性格が社風に表れるので、それが自分に合わなければ最悪ですね。
また、学生のうちに起業したパターンが多いために、社会的な常識を身に付けていない社長も少なくないです。そういった会社だと、違法な残業やパワハラなどが横行している可能性がありますから、注意が必要だといえます。
大手よりも福利厚生が充実していませんし、仕事もハードなことが多いですが、将来的な可能性を秘めた仕事なので魅力があります。なので、会社の方向性に共感できるかや独特な社風に馴染めるかがポイントです。
ベンチャー企業で働くメリット
自分の意見が通りやすい
ベンチャー企業は、社員数が少ないので社長との距離感が近いです。社長と毎日のように顔を合わせますし、普通に会話することができます。大手の企業だと、社長と話す機会なんて滅多にありません。
なので、自分のやりたい企画などがあれば、社長に直談判することができるわけです。ちゃんと社長を納得させないといけませんが、自分の力の及ぶ範囲が明らかに大きいというメリットがあります。
企画の中心で仕事をすることができるので、貴重な経験になるでしょう。
短期間で出世することができる
ベンチャー企業の多くは、実力重視の評価制度を採用しています。なので、入社して間もない時期でも、結果さえ出せば正当な評価を受けることができるわけです。先輩を追い抜いて、管理職に抜擢されることもありますね。
幹部クラスまで昇格すれば、経営に近いところで働くことができます。同年代よりもはるかに高い給料をもらうことができるかもしれませんし、将来的に起業を考えている人には多くの学びがあるはずです。
何をするにしても自分しだい
大企業だとチームで仕事を行うので、個人の責任は少なくなりがちです。
しかし、ベンチャー企業の場合には、個人の裁量が大きくなります。かなり自由度の高い仕事ができますが、それだけ責任も重くなるということですね。なので、やりがいを持って仕事をすることができます。
それだけプレッシャーも大きくなりますが、刺激的な環境で自分を磨くことができるでしょう。そこでスキルを身に付けることで、自分の市場価値を高めることにもなりますね。
ベンチャー企業で働くデメリット
業務が体系化されていない
自分の意思で自由に仕事ができる反面、すべてを一から組み上げなくてはいけません。企画書を作るにしても、ひな形すらないことがほとんどです。業務マニュアルが用意されておらず、先輩の仕事を見て覚えるといった会社もありますね。
裏を返せば何をしても良いということになりますが、自発的に考えることが苦手な人には苦痛に感じる可能性があるでしょう。教育制度も不十分な会社が多いですから、未経験の職種だった場合は戸惑うことが多いかもしれません。
福利厚生やオフィス環境が整っていない
大企業であれば、住宅手当や退職金制度、社会保障などの福利厚生が整っていますよね。しかし、ベンチャー企業だと、そういったものは期待できません。健康保険や年金に未加入の会社も少なくないので、自費で加入している人もいます。
オフィスも雑居ビルの一室だったりしますから、新宿や六本木などのキレイなオフィスを夢見ている人には真逆の環境だといえます。
給料が安い
設立して間もない会社だと、業績が不安定のはずです。なので、社員への還元も十分とは言えず、あまり高額の給料は期待できません。ボーナスの支給や退職金もないことが多いので、軌道に乗っていない会社だと収入面の不安が残ります。
また、社会的信用も下がってしまうので、住宅ローンの申請などで通らない可能性があります。ブランドや体裁を気にする人にとっては、ベンチャー企業に入るリスクは大きいといえますね。
倒産するリスクが高い
国税庁の調査によると、新規法人の85%が5年以内に倒産しているようです。そして、10年以上続く企業は、6.3%しかないと言われています。このデータが正しければ、ベンチャー企業のほとんどが倒産することになりますね。
ベンチャーの多くはIT業ですが、ネット業界は流行り廃りが激しいです。なので、黒字経営だとしても、数年後には赤字に転落してしまうこともザラにあります。
特に、経営者によって会社の行く末が決まりますから、良い経営者に巡り合えるかどうかが非常に重要な要素です。これは事前に判別するのが難しいために、ギャンブル的な要素が強くなりますね。
人の入れ替わりが激しい
十分な制度が整っておらず環境も良いとは言えないため、離職率は高くなる傾向にあります。新人が数ヶ月で辞めてしまうことも多いですから、常に新しい社員が入ってくることになりますね。
なので、職場が混乱してしまうかもしれません。教育制度も整っていないですから、新人の教育も不十分となり、仕事が進まないといった悪循環にハマってしまいます。その場に応じた臨機応変な対応ができなければ、仕事を進めるのは難しいでしょう。
ベンチャーに転職する前に考えるべきこと
何をやりたいのかを明確にする
ベンチャー企業で働くことは、目的ではありません。何かの目的を果たすために、ベンチャーで働くという選択をするわけですよね。なので、自分が何をしたいのかということを明確にする必要があります。
目的意識を明確にすれば、必ずしもベンチャーでなくても構わないことに気付くかもしれません。単なる憧れだけで入ると後悔してしまうでしょうから、よく考えてから行動する必要があります。
大手企業よりも過酷な環境ですから、明確な目的意識がないと耐えることができません。なので、安易な気持ちで志望することの無いようにしましょう。
自分にとってのやりがいは何か?
仕事へのやりがいを求めて、ベンチャーへの転職を考える人は多いです。たしかに、大手企業よりも個人の裁量が大きくて、責任を持って仕事ができる環境かもしれません。ただ、それが自分のやりがいに繋がるとは限らないわけです。
人によって何にやりがいを感じるかは分かりませんし、責任の重さがプレッシャーになって苦痛になる可能性もあります。だから、「ベンチャー=やりがい」と考えるのは早計だといえるでしょう。
だから、自分にとってのやりがいを考えることから始めてください。ライフスタイルを重視したり、上流工程での仕事がしたいのであれば、大手企業の方が目的を果たすことができるはずです。
自発的に試行錯誤することができるか?
先述の通り、ベンチャー企業では教育制度や業務フローなどが確立されていません。なので、自分の頭で考えてトライ&エラーを繰り返す必要があるわけです。ベンチャー企業に入るだけで、勝手に成長するわけではないということですね。
大企業での仕事に慣れてしまっている人は、ここが一番のネックになる部分だと思います。上からの指示を待っているだけだと、あっという間に置いて行かれてしまうでしょう。
自主性を持って、仕事を追いかける姿勢が求められます。
理不尽さに耐えることができるか?
ベンチャー企業は、とにかく変化が激しい環境です。経営者の意見がコロコロ変わったりしますし、毎日のように振り回されてしまうでしょう。良く言えば刺激的な環境だといえますが、悪く言えば節操がないということになります。
この環境に慣れるには時間が掛かりますが、変化の中で自分を成長させるという考えを持たなくてはいけません。一生懸命に企画書を作っても、方針変更でボツになることもあるので、理不尽さに耐えることも重要です。
年収が大幅に下がるリスクがある
大手企業と比べると、ベンチャー企業の給料は安いです。残業代やボーナスは出ないことが多いですし、労働時間も長くて過酷な環境だといえます。特に、転職した直後は、今までよりも年収が下がる可能性が高いでしょう。
ただ、実力次第ではすぐに出世できますし、上場すればストックオプションで大きな利益を得ることもできます。若くして巨万の富を得られる可能性がありますから、夢がある環境だといえますね。
しかし、倒産のリスクも高くなりますから、ギャンブル的な要素も少なからずあります。上手くスキルを向上させて、自分の市場価値を高めることを目的にすれば、転職によりキャリアをアップさせることができるでしょう。
以上、ベンチャー企業で働くということは、メリットとデメリットの両方があります。無限の可能性を秘めていますが、同時に大きなリスクもあるわけです。なので、転職を考えているのであれば、よく考えてから行動をしましょう。
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