出産に伴う給付金を理解しよう

出産に伴う給付金について

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女性であれば、子供ができたら会社を辞めようと思っている人が多いでしょう。育児をしながら働くことは非常に大変ですし、保育園に通わすにもコストがかかります。なので、仕事を辞めて育児に専念しようと思うのも不思議ではありません。

 

でも、すぐに辞めてしまうのは禁物です。実は、出産や育児をする人には、国から受け取ることができる給付金がいくつかあります。すぐに退職をしてしまうと受け取れないものもあるので、しっかりと知識として知っておくようにしましょう。

 

育児をしながら働いていた方が、色々な手当がもらえるので経済的には楽になります。なので、少しでも得をするために、すぐに会社を辞めないようにしておきましょう。

 

 

ちなみに、出産や育児においてもらえる給付金は、以下のものがあります。

 

  1. 出産育児一時金
  2. 出産手当金
  3. 育児休業給付金

 

順番に、解説をしていきますね。

 

 

出産すれば、ほとんどの人がもらえる給付金

 

出産育児一時金

 

まず、出産するとほとんどの人が受け取れる給付金として、「出産育児一時金」というのがあります。これは、国民健康保険や社会保険などに加入をしていれば、受け取ることが可能です。

 

また、本人が加入していなくても、夫の保険の被保険者であれば「配偶者出産育児一時金」を受け取ることができます。

 

支給額は市町村によって変わりますが、基本的に42万円が受け取れることになっています。また、双子であれば、2倍の額が受け取れます。ただし、本人や夫が健康保険に未加入だった場合には、対象外になるので注意が必要です。

 

退職してから出産する場合には、健康保険が失効してしまいますが、退職日から6か月以内に出産すれば支給されることになっています。

 

 

一般的に、出産の費用は30〜50万円程度かかるので、この一時金があれば非常に助かるはずですね。保険が利かず自己負担なので、かなりありがたいでしょう。また、妊娠してから85日以上での死産や流産、早産、人工中絶なども出産育児一時金の対象となっています。

 

 

出産育児一時金を受け取る条件は?

 

受け取るための条件は、以下の通りとなっています。

 

出産育児一時金:分娩月の前4か月間に通算して26日分以上の保険料を納めていること
配偶者出産育児一時金:夫が分娩月の前2か月間に通算して26日分以上、またはその月の前6か月間に通算して78日分以上の保険料を納めていること

 

 

また、受け取るための手続きとしては、以下の通りです。

 

健康保険に加入の場合:会社か社会保険事務所で申請
国民健康保険に加入の場合:自分の居住地区の管轄の役所で申請

 

以上が、出産育児一時金の概要となっています。これは、仕事をしていない人でも受け取ることができるので、必ず申請するようにしましょう。

 

 

そして、この他にも給付金がありますが、仕事をしていないと受け取ることができません。退職してしまうともらえなくなるので、ちゃんと確認するようにしてください。詳しくは、以下のようになっています。

 

 

失業給付金

 

失業給付金は、雇用保険から支払われるお金です。

 

会社を退職した時に、次の職場が見つかるまでの生活費を支援するために支給されます。支給期間は雇用保険の被保険者期間や退職理由などによって、90〜360日の間で決定されますね。

 

ただ、妊娠中の方が退職した場合には、すぐに再就職できないので対象外となります。

 

 

そういった時には、「失業給付の延長」という手続きをすれば、失業給付の支給を最長で3年間延長することができるわけです。

 

なので、出産をして落ち着いてから、失業手当をもらって就職活動を行うことができます。出産後に再就職しないなら不要ですが、仕事をする可能性があるなら手続きをしておいてください。

 

申請期間は、「退職日の翌日から30日経過後からの1か月間」となります。期間が短いですから、忘れないようにしましょう。

 

 

働いている女性がもらえる給付金

 

出産手当金

 

働いている女性と退職した女性は、「出産手当金」というものがもらえます。これは、健康保険の期間を問わずに受けることができるんです。国民健康保険には、この手当がありませんから働いている人のみの特権ということになりますね。しかし、出産のために会社を休んで、給料が出ない場合だけに適用されるものです。

 

受け取れる出産手当金は、「日給の6割を98日分」ということになります。具体的には、出産予定日以前の42日間と産後の56日間という期間です。

 

たとえば、月給30万円の人であれば、日給(30万円×30日)×60%×98日分で、58万8000円が受け取れるという計算になりますね。さらに、出産が遅れたのであれば、その日数分の手当ても追加で受け取ることができます。

 

ちなみに、請求は2年間有効なので、出産が終わってからでも問題ありません。

 

 

退職後に出産手当金を受け取るには?

 

退職してから出産手当金を受け取る場合、一定の条件を満たす必要があります。退職すると健康保険から外れてしまうために、条件が設けられているわけです。具体的には、以下の通りとなっています。

 

  1. 退職以前に、健康保険の加入期間が継続して1年以上あること
  2. 退職後、半年以内に出産すること

 

特に、「2」には注意が必要です。出産日が決まっていたとしても、状況によっては遅れてしまうことがあります。なので、何らかの原因で出産が遅れてしまって、退職後の半年を経過してしまうと、出産手当金を受け取ることができません。

 

なので、退職日を設定する場合には、余裕を持って計画をする必要がありますね。これは、気を付けるようにしてください。

 

 

ただ、どうしても事情があって、退職日を調節できないこともあるかもしれません。そういった場合には、ある裏ワザがあります。それは、「健康保険を任意継続する」ということです。健康保険の被保険者であれば、出産手当金の受給資格を得ることができます

 

なので、条件がクリアできない場合には、健康保険の任意継続の手続きを行ってください。これは、退職日の翌日から20日以内に手続きをすれば問題ありません。

 

 

育児休業給付金

 

育児をしながら仕事を頑張る人には、「育児休業給付金」というものがあります。これは、産後に育児休業のため給料がもらえない人に、雇用保険から給料の30%を支給しますという制度のことです。

 

日本の法律では、子供の1歳の誕生日の前日までは、育児休業を取ることが認められています。なので、この制度を利用することで、最長で10か月間の育児休業給付金を受け取ることができるということです。

 

なぜ10か月なのかというと、産後の56日間は出産手当金がもらえるので、その期間は支給されないからです。

 

 

ただ、育児休業給付金を受け取るには、以下の条件を満たす必要があります。

 

1.雇用保険の被保険者であること
2.過去2年間に、賃金支払い基礎日数11日以上の月が12カ月以上あること
3.休職中に給料が支払われないこと

 

上記の3つの条件を満たすことで、給付金を受けることができますよ。

 

もらえる金額は、給料の30%です。なので、月給30万円で10か月の支給を受けるとすると、10万円×10か月で100万円もらえることになります。

 

 

職場復帰でもらえる育児休業者職場復帰給付金とは?

 

育児休暇を終えて職場復帰をした場合、さらに給付金を受け取ることができます。職場復帰後6か月経過すると、「育児休業者職場復帰給付金」というものがもらえます。支給される金額は、月給の10%×育児休業給付金を受け取った月数となります。

 

なので、上記の例ですと、30万円×10%×10か月となり、30万円の支給を受けることができるということです。

 

 

このように、仕事を続ければ支給されるお金が色々ありますから、妊娠したからといってすぐに辞めるのは待ってください。今後の生活などを考えてみて、しっかりと計画を立てて仕事の仕方を工夫するようにしましょう。

 

 

妊娠後の退職の流れ

 

妊娠をすると、休職か退職かで悩むと思います。

 

育児に専念したい人は退職して家庭に入るでしょうし、経済的に余裕を持ちたいのなら出産後に働く人もいるでしょう。この辺りは、自分の家族と相談をして決めるのが良いですね。

 

退職をするのであれば、以下のような流れとなります。

 

  1. 上司へ妊娠の報告
  2. 退職時期の決定
  3. 同僚への報告
  4. 業務の引き継ぎ

 

自分が抜けることで周りに迷惑を掛けないように、スムーズに退職手続きを進めるようにしてください。

 

 

上司へ妊娠の報告

 

まずは、上司へ妊娠したことを報告しないといけません。安定期に入るまでは誰にも知らせたくないと思うかもしれませんが、上司への報告は早い方が良いです。

 

特に、妊娠初期は体調を崩しやすいので、上司に伝えておくと色々と融通が利きやすくなります。上司からの理解を得ておけば、つわりがひどい時などに会社を休むことができるでしょう。

 

また、ハードな力仕事や外回りの仕事などは、他の人に交代してもらったりできるかもしれません。妊娠直後に無理をすると流産のリスクがあるので、体に負担を掛けずに働くことが求められますね。

 

妊娠の事実を社内に広めたくないときは、上司に口止めを依頼しておきましょう。妊娠はデリケートな問題ですから、女性の上司に相談するのが望ましいですね。

 

 

退職時期の決定

 

退職するときに最も気を付けるべきなのが、退職時期についてです。

 

繁忙期に辞めるようなことがあれば、職場の人たちに迷惑を掛けてしまいますよね。だから、自分が抜けても影響が少ないように、退職時期を考えないといけません。

 

通常、妊娠が判明するのは1〜2か月ですから、出産までは半年以上の時間があります。かなり時間に余裕がありますから、ゆっくりと退職時期について検討しましょう。

 

 

しかし、シングルマザーや夫が失業中の場合だと、退職から6か月以内に出産しないと「出産育児一時金」を受け取ることができません。

 

ですから、退職をするのであれば、妊娠4か月目以降にしましょう。あまりに早く辞めすぎてしまうと、損をしてしまうので気を付けてください。

 

ただ、退職後に夫の健康保険の被扶養者になることができれば、そちらから配偶者出産育児一時金を受け取ることができます。

 

 

上司や同僚への報告

 

妊娠5か月目以降になると、安定期に入ります。

 

この時期になれば流産のリスクも減るので、会社の同僚にも報告して良いでしょう。お腹も出てきますから、妊娠していることが周りからも分かるはずです。

 

妊娠の報告と同時に、退職予定であることも伝えるようにします。

 

 

ただし、報告をする順番には気を付けましょう。最初に上司や先輩などの目上の人への報告を済ませてから、同僚や部下へ伝えるようにしてください。

 

順番が逆になってしまうと、上司からの心証が悪くなってしまいます。社会人としてのマナーですから、覚えておくようにしましょう。

 

 

業務の引き継ぎ

 

具体的な退職日が決定したら、それまでに引き継ぎを済ませておきます。

 

自分が抜けた後に混乱しないために、後任へすべての業務を引き継げるようにしましょう。業務マニュアルを作成しておけば、複数の人に引き継ぐ際にもスムーズに進められます。

 

また、取引先への挨拶回りも忘れてはいけません。今までお世話になった人たちへお礼をしておかないと、自分が辞めた後でトラブルが起きる可能性があります。

 

後任の担当者の紹介も兼ねて、直接訪問したりメールを送るようにしてください。

 

 

 

以上の流れを知っておけば、急な妊娠でも慌てることは無くなるはずです。

 

新しい命を授かるというのは嬉しいことですが、周りに迷惑を掛けてしまってはいけません。なので、退職をするのであれば、全ての作業を滞りなく進めるようにしましょう。



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